気の迷い/佐々木妖精
 

何億光年と離れた場所から
駆けつけるヘッドライト
とっくの昔に死んでいるというのに
瞬いて手を振る 死者の光
手を伸ばし
彼らの厚意を受け取る

悪酔いでもしてしまったのか
ふと思う
メガネもコンタクトもやめて
ただぼんやりと優しげな世界で
躓き続けるのも悪くない と

酒もなくワケに酔いつぶれ
高みを目指す人や
深みを探るものの邪魔になるぐらいなら
自ら手を放そうなんて
星が形作る太陽を思うと
そんなことを想う
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