暮れなずむ、ロンディニウム/長谷川智子
 



たとえば秋の紅葉のやうに
たとえば秋の輪舞のやうに


くるくると
栗色の巻き毛を人差し指で回すやうに


私のなかの私、も
なにひとつやむごとなく
回って、ゐたい





あら、カフスボタンは何処にあったかしら?
‥ハンカティーフは!?



鈍めの靴音が、消えゆくまで
私は見届ける義務があるのです




毎夜、眼を伏せゆくときに想う…
"願わくば
大海を航るカモメのやうに、離れられたら"




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