暮れなずむ、ロンディニウム/
長谷川智子
たとえば秋の紅葉のやうに
たとえば秋の輪舞のやうに
くるくると
栗色の巻き毛を人差し指で回すやうに
私のなかの私、も
なにひとつやむごとなく
回って、ゐたい
あら、カフスボタンは何処にあったかしら?
‥ハンカティーフは!?
鈍めの靴音が、消えゆくまで
私は見届ける義務があるのです
毎夜、眼を伏せゆくときに想う…
"願わくば
大海を航るカモメのやうに、離れられたら"
戻る
編
削
Point
(1)