へば/佐々木妖精
を味わい
メシ代わりに余りもののスナック菓子を頬張る
今日みたいに渇く朝は
子供には転校を味あわせたくないからと
あの土地を譲らない
同僚の覚悟を思い知り
ただ転々と
なるべく抜きやすい根を引っ掛けようとしている自分を
比べる度に
今日みたいな朝には
フラフラ戻ってしまいたいけど
戻り方など忘れてしまったなんて
泣きたいのか笑いたいのか分からない
ひでえ顔して言わないと
何も言えずに見送るだけだから
今日みたいな朝には
せめて
行ってきますを声に出す
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