colors 空白/水町綜助
飲ませてあげる
あのあまいひかりを
ぼくたちが感じた
日々の割れた
果実の染み出す
ドロップした
地面に落ちる滴をほら
一滴
気持ちのいい沈没を感じな
遠くなだらかに
広がるベッドタウンに
ともってゆく静かな感傷だ
感傷を砕けよ
あそこの晴れ渡った町まで
モニュメントの大通りで
衆人環視のなか
道において
走り去る
めぐる
トラックに踏ませて、
こなごな
すぐ右足を
前に出す時間だ
ここにはいたくない
両手両足をちぎれるほど振って
逃げ出すんだ
運転手はパンクしてしまったことに怒って
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