『スキンレス』/山内緋呂子
 

今朝、 あの人が遠くから運んで来てくれたプレゼントの紙袋を、私は

捨てる。



ごみ袋の中で、その袋は、いつもにも増して甘い匂いを発していた


ずっと捨てられ無かった紙袋
今日、




今日、


あたしは捨てる。

その甘い色と香りは何なのか。

またきっと、

「君の勘違いだ」と言われるだろう
分かっている

あたしの、愛が、その袋を甘く香って見せるのだろう

あたしは愚かだ
この紙袋に優しさが含まれているのは、彼の、


少しでも懺悔だと、

少しのあいだ、少しだけ本当にちょっぴり、私にあった、彼の
[次のページ]
戻る   Point(11)