ゾンビ宗教/影山影司
 
じゃ農家を名乗れないね」なァーんて言っちゃうのか。

 確かに僕は精霊だの神様だの信じちゃいない。
 世辞にも良い人とは言い難い。
 率先して悪いこともやる。

 だけど、僕は、無神論者であっても聖書を読まずとも、礼拝に通わずとも、休日には子供を連れてキャンプに出かけて「ご飯の前にお祈りしましょ!」なんてノリにならなくったって、宗教を持つことは出来ると信じている。

 知識が有れば救われるのか。
 献金を積めば救われるのか。
 清く正しく努力しなくっちゃ駄目なのか。

 どんな人間だって幸せになるべきだ。
 安心して眠れる毎日を過ごすべきだ。
 ウマイ飯食って楽しく笑って、気高く生きて満ち足りて死ぬべきだ。


 そのための手段が、宗教や文藝なんじゃないかなァ。



 締めくくりに、僕が基督教徒になる切欠となった言葉を紹介しよう。
「地獄の釜が一杯になった。そして地上が死者で溢れ返る」
 映画『ゾンビ』より

 その瞬間は、もう来てしまったのだろうかと時折考える。
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