お前の骨/赤澤るろる
じゃないか
寝ている日々が多くなる
お前は何の夢を見ているんだ?
そんなに苦しい顔をしないでおくれ
今お前を叩き起こしたら
私はどんな顔をして
どんな言葉をかければ良いのか
毎日毎日
お前の手を優しく握る事しかできないでいるよ
すまないな
何も食べなくなってしまった
起きたと思ったら
お前は窓の外をぼんやりと見つめているだけだ
私の顔などちっとも見ようともしない
嫌いになってしまったのか?
最近シワは増えたと思ったが
お前の事で頭が一杯で
すまないな
こんなカッコ悪い言い訳しか出てこないよ
村外れにある丘の上は
心地良い風が吹く
私はお前に何をしてやれたのか
朝お前は息をするのを止めた
最期に笑顔を
私に置いて逝った
私は‥
お前の白い灰を
風に乗せた
静かに運ばれて逝く
無数の光が美しい
力強い風となったお前を
初めて強く抱きしめた
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