ダッチとアンゴ/udegeuneru
を言うと分からない」
「くるかも分からないようなものを待っている?」
「だが、いつか必ずその瞬間はやってくる気がするんだ」
「おれにも?」
「おまえにもだ」
男はグラスに残った2センチのウイスキーを飲み干した
照明を反射して眩しい腕時計がゴツすぎて似合っていなかった
「ごちそうさま」
「もう行くのか?」
「・・・」
「今度おごらせろよ」
男はスン、と鼻で少し笑い
街の中に消えていった
俺はストローでカルーアとウォッカの部分を一口飲みその後
生クリームをかき混ぜ一気に飲んだ
「甘ったるい。ビールくれ」
ここは街のどこかにある、路地裏のバーだ
俺達はウサギだった
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