野川/
フクスケ
初めは小さな湧水だった
流れの始まりは
始まりの音
川の変奏へと
流れる川の音を
聴いていると
行く先々で
音が変わる
一人
佇んでいる
二人
柔らかなやり取り
三人
どうなるのだろう
川に沿って歩いていると
突然いなくなる
でもまた現れる気まぐれ
川の終わりが
河口とは限らない
ふと いなくなって
二度と顔を合わせない時もある
川の流れみたいなひと
ひとみたいな川の流れ
人との出会いのような
一度限りの
ものがたり
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