透徹するフレームワーク/高島津諦
 
源を入れTVをつけ
フランケンシュタインの怪物のように蘇らせる
さもなくば死ぬ

買い物袋の中身を整理する作業を思い出す
腐敗していくことは誰だって知っているのに
秒針よりもできる限り遅いスピードで
ため息をひとつふたつ吐く
そして爛熟する
手遅れになる寸前まで

ヨーグルトを突っ込んだ冷蔵庫は
笑っているように感じられた
その職業意識を満たされて喜んでいるのか
取ってつけたように健康に気遣った買い物を嘲っているのか
いずれにせよそれらは私の鏡に過ぎない
(もちろんあらゆる擬人化がそうだ)
私は私の行為に満足し私を讃え私を貶め
私は私に対し口の端を吊り上げている
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