創書日和【神】 川の子供の神様/大村 浩一
 
自分のやりたい事を止めない、という事が
子供だった神様には
分からなかったのです


ねじくれた赤子が産まれるようになり
大人たち同士が争うようになって
大人たちの工場はようやく毒汁を流すのを止めましたが
病気が発覚してから何年も過ぎていました
ねじくれた子供たちはその後も痛がりのたうち続け
カンに入れて埋めた魚の毒はいつ漏れ出すかも分からない

川はいまも流れていますが
小さな子供の神様の意識は消え去って
勝手に汚泥を繁殖させる肉体だけが残りました
地球が腐り始めたのは
それから間もなくの事でした


  ※ ちゃーさんの『川の物語』(T-THEATER第0回公演)から
    着想を得ています

2008/4/30
大村 浩一
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