深夜環状線/青木龍一郎
こってる。
僕が呼吸法を変えた瞬間、スーパーカーの上の女が屁をこいた。
夜中に女の爆音を響き渡った。ドゴーンドゴーン。2発。
僕は「くせー」と言って走り続けた。
ちなみにスーパーカーを運転しているのが猿だということに気づくのはこのちょうど10秒後である。
スーパーカーは自ら発するぐちゃぐちゃの光で前方を照らしている猛スピード。
僕はずっとスーパーカー追いながらもまったく疲れない。
むしろ着実に髪の毛が抜けていく。
消耗するのは「体力」か「髪の毛」の選択で僕は「髪の毛」を選択していた。
深夜3時03分。
逃げるスーパーカー。
追いハゲる僕。
怖い夢にうなされて
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)