タンタロスの水瓶/
しめじ
とはその間に映った燃え尽きたフィルムのようなもの」
遠雷を追いかけて走り続けたのだが
結局あなたには追いつかない
願わくば五月の雲になって
笹の葉の揺れ方を眺めていたい
そう呟いた美しい川の流れが止まり
世界は靴下と革靴で埋め尽くされる
鞄が独りでに宙を舞い
小さなアネモネを叩きつぶすのです
その瞬間
問題になるのは絶え間ない風の音ではなくて
あなたへの愛
満たされることのない
タンタロスの水瓶
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