旅行/
水町綜助
左手で頭でも掻いとく
汚ねえ川に
金色が横溢してるぜ
それは太陽のしわざだ
どこまで行っても
日没までは
居やがるね
首が疲れる位置だね
ずずと動いて
でも登りはじめの位置と
沈む場所は
やっぱり俺たちのいる高さだよ
ふりむいて
お前の顔があり
目線が交わって
しまうあたりだよ
この、地面だ
この
生まれた
緑金の春のした
鐘のおとさらに
さらに遠のき
剥げていく空の
車輪
さらに
まわる、まわる
この
生まれた
逆光に
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