全日本夜更かし選手権大会/望月 ゆき
てやつも。
あら、これ切れそうね、とだけ
つぶやいて、それだけ。
あぁ、やっと休憩だ。
と、顔を止める
角度も気にならない。
と、思いきや、途端に
ママ、の手が伸びてきて
また首振り始動。
こんな夜は仕方ない、とあきらめモード
なんてモードはないからタイマーモード。
期間限定で昼夜を問わず
労働中。
眠れるモノたちの
寝息を聞いている 窓
の外には 風に揺れる木々
の上には 月が浮かぶ空
の続くずっとずっと向こうでは
「もう 起きちゃいかが」
と カッコウが鳴くわけもなく鳴いて
朝。
それが 終わりの合図。
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