アナグマさんとマッチちゃん/縞田みやぎ
 
のよ」

「なおぅ、なおぅ」
おなかのすいたフランシスが鳴きます。
マッチちゃんのおなかもぐぅぅと鳴ります。
探してみると、台所の流しの脇に、昨日のミルクの残りがありました。
「昨日、ミルクティーにしなくてよかったわ」
ミルクの壜は重たかったのですが、砥石にもたせかけて斜めにすると、やっとカップに注ぐことができました。
フランシスの青い花の皿にも注ぎます。
マッチちゃんは自分の背丈ほどもあるアナグマさんのカップを抱えて、アナグマさんの寝室に行きました。
「ほうらね、看病だってお手のものだわ」
マッチちゃんのカップは小さくて注ぎにくかったので、アナグマさんのカップから少しもらい
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