御洒落童子(山田風)/山田せばすちゃん
 
片足をつっこめば完璧だと、同じようにして詩を書いていた友達と笑いあったことがあった。しかしその後、僕はほんの少し学生運動に足をつっこみ、何人もの女の子と同棲し、回りの連中からはさんざんに軽蔑された。その友達は地下運動に片足どころか両足ともをつっこんでしまい、大事な恋人とも別れてしまって、パクられて実刑を食らい、その後いまだに行方が知れない。おたがい、冗談を真に受けるととんでもないことになるものだ。)この街に帰ってくるまでに原稿用紙の束はほとんどどこかに行ってしまっていたが、仕事から帰って、真夜中、わずかに残ったいくつかの断片を読み返す度に僕は決意を固くするのだ。詩を、それもちゃんとした恋愛詩を書こう、と
戻る   Point(2)