おとぎ話/ひよ子
 
もらいたい
カラスは嘘つきだからついていってはいけないよ
僕が見えるという君のような子なら、
きっとなおのこと騙されることに慣れていないだろう

一度目を閉じて再び開いたら、僕はもう君には見えない
意外に思うかもしれないけど、結構僕は照れ屋なんだ

君が家に帰って、ふと風の中に春の香りを感じたら
それは僕の仕事がうまいこといったってことなんだ
君とは遊べないけど、そうやって僕を思い出してくれたらいい

僕は行かなくちゃいけない
でも、忘れないで
僕の背中の七色の翅の輝きを
さぁ、目を閉じて

一、二、三―
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