First Love/円谷一
 
重の瞳をキラキラさせた。クラブ内の湿度が高く、更に爆発したような頭になった僕を、君は「ライオン」のようだと笑い、ワックスのついた髪の毛の中に両手を突っ込んで、くしゃくしゃにした。ライオンのような髪型と、体臭が充満している室内。僕達はジャングルのように暑い満員のフロアーで、無数に反響するリズムに合わせて踊り続けた。
 汗を掻いた僕達は、雰囲気に流されて、ラブホテルに入ってシャワーを浴び初めてセックスをした。その帰り道、銀河のようないつも見ている川を自転車を押しながらじっくり眺め、漠然とした将来の夢を互いに語り合った。その夜は、僕にとって一生忘れられないものとなった。だが次の日に君は突然学校を辞め、
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