模索する深海魚/ゆるこ
込む酷い亡骸
それは原色の幻想で
疎らに咲いた少年の心
(ほんとうはいきたくてしかたないのに、)
あまりに器用に行き過ぎて
その分だけ不器用に感じながら生きて
(それでも日々は巡って、)
空は酷く澄んで
花は影を落して
水は延々と広がって
僕たちはひとつの太陽を見つけ、
体の内側から
物凄い勢いで何かが生まれる
ひしひしと、歪な音をたてながら
確実に大きく、成っている
(それは、例えるなら樹木)
巡る、巡る
ありえない速度で
この感覚はなんだろう
一体、なんなのだろう
(それは、例えるならいのち)
水面下
浮かび上がる爪先が
美しい七色を帯びて
生まれる気配を漂わせ、
今ここで尽きるものから
這い出てきた赤子が
ひっそりと笑い出すのを
僕たちは待ち望んでいるのかも、
(しれない。)
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