回帰/tatsuya999
僕が歩くことを望んだのは
いつだったろう
歩くことを覚え 望みを知り
それが今ここにあることを知ったのは
幼き頃のふるさとで
知っていても
もっと もっと その先には
とても とても 今以上の何かがあると
信じて 憧れて 求めた
でもそれは 遺伝子レベルの行動で
希望を見て 感じたその時に
求めろという本能を
体現したに過ぎなくて
円の中心にあった 大切な 何かから
遠ざかる行為だと
僕は知ったよう
思い出すのは いつか見た 青い空で
気持ちいい開放的な近くの浜辺
帰ってももう見ることは無い風景のリフレイン
歩いて 遠ざかって
でも 結局は
始まりが終わりで
求めた時には
もう 手放しているという
なんて滑稽な話なのだろう
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