弥生 三月/アハウ
 
おぼろな 三月

見晴らしのいい 場所で
遠く 帝都を仰ぎ見たくなる

両腕を広げると
風に 翼

東京タワーまで
フワリ フワリ 飛んで行けそうだ

春 霞
飛行の航跡に

きら きら きら きら 金粉は

この巨大な都市の何気ない路地にも吹き寄せる
薄く 淡く 包み込むから

春の気配を感じた屋根の下では
談笑が交わされて

金の言葉の波が
街 街に満ち足りて

もっと 

春を 淡くした
 


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