エンプティ/田島オスカー
そっと絡めた指が
恐ろしく美しかったのを
僕はまだ 瞳の奥に覚えている
隠し切れなかった愛おしさを
君の 綺麗な指からも感じていた
掴んで 離さなかったのは
その手がどこか
知らないところへ
行ってしまいそうだったからで
あの時の恥ずかしさが今も
僕を 内側から揺さ振る
ねえ君は
その指先を
僕に向けることは もう無いけれど
その優しさと美しさを僕に
分け与えてくれれば 良かったのに
絡めた指の 冷たさを
あの綺麗な冷たさを
未だ覚えている
僕は この無骨な手のひらに
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