したく/縞田みやぎ
とけてをくりかえすと
三日目の朝にはすっかり半透明だった
とろんとしたあの生き死にが わたしは好きだよ
実際 抜いてほかすのはパンジーのため
連中の葉は こおらないのですって
園芸のせんせいが言う
春にはきれいになりますよう て
手指にベゴニアのくずれた葉が はじから はじから ついて
件のくにの名前を知らない
ざんばり ざんばり
いっときくらいは遠くまで行けようか
ここはもうしばらく しんとするよ
のどのおくまで凍らせよう いぬいぬ
遠く
あの遠くには おおきないきものがいるよ
わたしの肺は ほう ほう と
けもののいきをもらすよ
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