メール/パッサカリア/チアーヌ
ないよ」
少年はぶっきらぼうに言い捨てる。でも、実はそれほど怒っているわけではなさそうだ。少年も家の中に一人きりのようだし、案外ヒマなのではないだろうか。
「あ、そうなんですか。ええと、実は・・・。ちょっと話したい事があって。あ、今、時間はあるかな?」
「なんだよ。おっさん押し売りかなんかなの?俺、金持ってないし未成年っすよ」
「違うんだ。実は・・・」
俺は出会い系サイトのメールでここの住所を知ったことを少年に話した。
少年は憮然とした様子で話を聞いていた。
けれど、不思議なことに、それほど驚いた様子はなかった。
「・・・ってことなんだ。何か心当たりはないかな。いや、別にい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)