ドライフラワー/sekka
 
くさんの花をもらって
私の計算がばれたのか知れないけど
ドライフラワーにしたのは
あの一輪だけ

他の花は
水を吸い込んで
こぼれるように膨らんで
香りを撒き散らして
花びらの一枚一枚を落としながら
身を焦がしていった

彼とは別れて
私の部屋には息を止めたような
蕾のドライフラワーが一輪だけ残った

会わなくなってから一年が過ぎて
私は息を止めて
ドライフラワーを掴んで
燃えるゴミに捨てた

ドライフラワーも造花も
嫌いだったけど

ドライフラワーにするといいよ
とあなたは言った

ドライフラワーがいっぱい
飾られた部屋で泣く女の人を想像した












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