ドライフラワー/sekka
つきあって一周年の記念に
バラを一輪もらった
花が欲しくて欲しくて
あなたから贈られたくて
せがんで だだをこねて
やっと初めて貰った一輪
二周年には二輪ねって言われて
はしゃいで喜んだ笑顔の裏で
百輪の花束をもらえることはないのか
と計算したことを悟られないように
ドライフラワーにするといいよ
とあなたは言った
ドライフラワーがいっぱい
飾られた部屋で笑う女の人を想像した
ドライフラワーも造花も
嫌いだったけど 言われたとおり
一輪のバラに水も与えず
逆さまに宙吊りにして
蕾のまま枯らした
それから
二周年を迎える前までに
たくさ
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