寂しい会話(実話)/よしおかさくら
 
『ハイ、申し訳ありませ』


向かって右 『だからおまえ何なの? マキにも言ってたでしょ−?』
真中(わたし) ……?
向かって左 『いえ、そのようなことは、、ええ、また後日……』


向かって右 『ほんともうタカシとは切れたから他に? いるよ』
真中(わたし) …!……!
向かって左 『はぁ、そうですか、でしたらまた後日……』


向かって右 『え。……、うん。じゃ、バイバイ』
真中(わたし) ……。
向かって左 『それでは失礼します』

目の端でそっと観察する
完璧な会話だったが、
彼らは知らない
彼らは
そばにはいない相手と
話していたのだった
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