雪明かりの王女/beebee
 



小さな王女さま

 ある寒いクリスマス・イブのことでした。
 輝くレースのカーテンが風に翻るように、真っ白な粉雪が舞い降りて来ていました。見渡す限りの町々は、こんもりと白い雪に覆われて、家々の灯は地上に散撒(バラマ)かれた星屑のように、瞬いていました。
 きっと家の中では、一年の無事を喜ぶ人々が神さまの愛に感謝を捧げて心からの祈りを上げ、赤く燃える暖炉の回りでは、家族の賑やかな笑い声が溢れていることでしょう。
 これは遠い遠い北の国のお話です。
  この小さな北の国には小っちゃな太った王様と幼い王女さまがおりました。王様はたいへん欲張
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