こねこ/hope
それでもやっぱり。
あなたの背中。そのすぐ後ろで、
あなたの背中を追いかける、子猫の後姿。
わたしは追いつけなくて立ち止まるの。
それは諦めでもあり、納得だったりもしたの。
本当よ。
喉はからからで、拡がる風景はきらきら。
磨り減った靴の踵の部分だけが、寂しいだけ。
小さくなった子猫の後姿が、わたしに振り向いて言いま した、
「もういいよ」
って。
優しく。
【見覚えのある場所】は、この坂道のずっと先で、
見送るあなたの背中と、子猫の後姿。
それが、わたしの最初の風景でした。
目が覚めてみれば、
子猫は私の傍で眠っていました。
夜のいちばん深いところで。
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