遠方へ向けて/水町綜助
ケでものんで
くじらみたいにのんで
まだ寒いかもしれないけどくじらごっこをしよう
さいわいにしてまだでてないけど
30のおなかをよるの海面にだして
ヘソの話でもしよう
はじまりの
渦巻きの
はなしを
そんでまた歌ってくれ
こんどは俺も歌うから
夜の海の黒さのなかに
赤さ青さを
みつけるような声で
そしたらおれは
くだけた鉄の粉を
ぱっ と焚き火にふりかけて
花火をみせよう
星の爆発みたいだから
そして波にゆられ岸に
やがてゆっくりうちあげられたら
ふくをきないで
そのまま
そのままあたらしい
あたらしい全裸のともだちに会いに行こう
海沿いでもあるいて
戻る 編 削 Point(6)