あるいは/塔野夏子
 
すべての数が
奇数であればいい
あるいは
すべての多角形が
三角形であればいい
それもできれば正三角形で

そんなことを思ってしまう朝はおそらく
何かをあるいは誰かを
探す夢を見てから目覚めたのだ
あるいは 探される夢を かもしれない

どのみちちゃんと覚えていたためしはなくて
僕はやがて奇数も三角形も
忘れて扉を開け 出かけてゆく

あるいはもう一度思いだす
帰ってきて 眠りに落ちる寸前に


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