大切な人/yoshi
 


そう書いた作文を読んで聞かせた時の涙

若いばあちゃんでうらやましいなぁって、友達がうらやんでた事もあったのに

いつの間にかばあちゃんの体は、黒く犯されてしまっていた

鍵っ子になりかけた私を、一生懸命面倒を見てくれた

私の中で両親よりも近くて、両親よりも信頼していた人

なのに、悲しませた事もたくさんあった

それもすべて些細な事で


病床のばあちゃんを見たとき、遠く離れて暮らしていた私は

絶句してしまった

変わり果てた表情、どす黒い顔色、浴衣からのびる驚くほど細い腕、苦しそうな息

食べる事があんなに大好きだったのに、のどを通らないま
[次のページ]
戻る   Point(0)