星/たけ いたけ
 
足は山中を歩いていて木の根っこの感触を感じている

脳みそは疲労して彷徨う
何処にもいけないことばかり考えている
自分の全体像を描きながら何も成せずに
彷徨う
そして孤独のシンボルの館が破壊されるのを
喜んで待っているのか
悲しんでいるのか
鉄筋の崩れる音がする
巨大な機械で
ショベルカーで崩され落ちていく鉄筋
口が笑みを浮かべる

だからどうだと言うのか

僕が誰だというのか
暗い夜空にうっすらと光る星だ
あれが僕
その小さな光に放し飼いにされた
脳が苦しみ
手が悦び
脚が無邪気に歩き
腹が欲求にまみれ
街中を彷徨う


・・・・
暖かな部屋で
母さんと喋っている
聴こえない透明な会話をしている


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