ポエトリーリーディング(3)/れつら
 

何かの時間が消滅するように思っていたのかもしれない。

時間はなくならなかった。
いつまで経っても。

かわりに膨大な量の気持ちが生まれては消えていった。




わたしたちは省略可能な膨大な時間のなかに生きている。

(そしてできれば省略したいとも思っている。)

(同時に、省略したくないとも思っている。
 男にふられたからって一晩泣き濡れなくてもいいじゃない。
 それなのに。)



わたしたちはずっと空洞だ。
 チューブはどれだけ短く切っても中に中空を残している。
そしてその中空の中に何かが通っているような気がしている。
 それをとても好んで
[次のページ]
戻る   Point(2)