ひどい塊/カンチェルスキス
スピードで 定員いっぱいの漂流船が 滝壺に
黒景色の中 落ちていく舳先が つかまえられそうなほど 近い
ひどい塊になって 音階をはずしながら 落ちていく
あれは何だろう ひどい塊だ ひどい塊だ
僕の仲間だ 一緒に縫製された仲間 振り返ったら
あれは何だろうと不思議に思うほど 何事もなかったんだ
その場面だけは編集することができない
定員いっぱいの漂流船が また滝壺に落ちていく
グラスの底の水の跡 永遠に残って
僕の心臓の位置が間違ってる 左と右 右と左
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