連詩 未熟狭間/善寛。
 
ましろな極東最前線に
 ミスマッチした個体たちが
 ざわりざわりとわらいだす
 
不完全な傍観者
 
故に色を持たず
ただ
わらうわらう
 
刹那に及ばぬ
時間軸
音が止んだ
 
 
 気付けばビル片の鉄屑の海に
 柔らかく混ざり合う無機質がひとり
 象の瞳で立っている
 
 許される桃源郷が
 ぼやけた角膜フィルムの片隅で
 静かに、高らかに、
 
 (産声を、あげていたのです)
 
 
 
『未熟狭間』
 
 
 
奇数連 善寛。
偶数連 ゆるこ^^
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