聖性、冬、機械/ケンディ
 
れた。その結果が彼だった。彼は私の恋人であり、親友であり、信仰対象だった。私は彼にとって、絶対服従の奴隷だった。しかし同時に彼は私の最も下等な奴隷だった。
ある時の彼は神秘的だった。神秘的な彼に触れると、私は現実へと帰ってこられなくなった。それなので彼が死んだ今でもまだ、私の精神と肉体の一部は、彼の口と舌と指とペニスが描く密教的曼荼羅の中に縛り込められ、恍惚としたままである。だが私という悪しきリアリストは、彼の一面にこだわり、縛りつけられているに過ぎない。
ある時の彼は猛毒を持った誹謗・中傷だった。彼は「風刺」と称するが、あまりの毒々しさに、死魔が呼び起こされたぐらいだ。猛毒の彼の前で、私はた
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