まぼろしの毒をたべる友達/ミゼット
 
天井のフックに引っ掛けても
まだ
膝の裏に届く長い髪で
息をするように嘘をつく

望めば全てと言うし
少し前のことを覚えていないから
お話を作るのとも言う

とても髪がのびたから
ツリーのかわりに髪をかざってねむりについた
洪水に襲われる夢をみて
とびおきたら
ケーキがみんな腐ってた
冷蔵庫はニシンでいっぱいだったから入らなかったの

朝起きて枯れた鉢植えを
公園に捨てに行った
遊歩道を外れて
植え込みに隠れながら捨てた
家族連れが怪訝な顔をしていたので
形だけ祈っておいた
「金魚が死んじゃったんです」

どこに繋がろうとしても
皆、てんでばらばらの話をしていて
眺めるだけになった

さっきまで私をまとめていた雨が止んでしまったから
身体の中がすーすーする

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