この世界を離れて ★/atsuchan69
た、
――わたしが来た道をしばらくゆくと
また道がつづいています
そしてその道のむこうにはまた道がつづいています
きっとその先に、そこへつづく道があるはずです
――では行きましょう
それもたった今すぐに
ふたりはたちまちお城を去りました
着のみきのまま 鞄さえ持たずに
そして目指すのは お姫さまの瞳のなか
ああ 美しいお姫さまの瞳
そこに映っていたのは ただ旅の詩人だけでした
そこで父ちゃんの弾くバイオリンの音がはげしくなった。そしてからだを僕の方に大きくかむけて、
「俺の帽子をとれ」
と言った。
僕は言うとおりにし、その
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