ガラスの葉書/紫翠
 
手にとって
読み返す葉書

紙の山に埋もれていても
あなたの文字は
見つけられる
その文字が
私を君と呼ぶ

綴られた言葉を
私はきっと
諳んじてしまう


遠く失った恋が
胸の奥で
結晶する


ガラスの花を
見つめるように
同じ夜空から降る雪を
あなたも
見つめているのだろうか

すこし
急いだ文字と
この恋の
来た道に
降り積もる
暖かな雪




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