たとえばそれはビー玉のようで/
森さかな
みはコーラの代わりに温かいココアを飲んだ
12月は終わろうとしていて
街灯に
雪がきらきら反射した
「不幸」はいま、
収集家の部屋のすみで
鈍い虹色にかがやく
あの頃はよかった
そう言って苦笑するようになったぼくらはいま、
雑踏のなかを無表情にすれ違う
あたたかくなった世界で
12月に雪が降ったのはその年が
最後だった
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