水辺で見た夢のこと/
猫のひたい撫でるたま子
ふと触る私の首筋には髪の毛一本分ほどの細さの切り傷ができていた
指先についた赤い血と日差しを浴びて黄色くなった雨を混ぜ合わせたら、音楽は
消える
雨は急速に上がり、地面の模様も空も当たり前に戻った
いつもの公園に人は私だけではなかった
目を合わせることなく、確認をし合わずに心の内で思っている
私にもあなたにも同じように、いまの終わりの音楽が聴こえていたと
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