自分を責めるのが得意な女による自分を慰めるのが下手な女のための詩/涙(ルイ)
 
 もうこれ以上は云うの止めにします
云ったって虚しくなるばかりだし
今更どうにかなるわけでもないし
それにそれに それを云ったからって別に
私の性格が突然明るくなるわけでもなんでもないですから
だからもう これ以上云うのは止めにします


でもさでもさあかあさん 最後にひとつだけ 
ひとつだけ 教えてほしいことがあるのです
どうしても 教えてほしいことがあるのです
私ね子供の頃から
とおさんに怒鳴られ殴られ蹴られて
部屋の隅っこで声を殺して泣いているあなたを
いっつもいっつも見てきました
だからねかあさん あなたの悲しみや怒りは
解りすぎるくらい解ってるつもりなので
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