突き刺さった破片はそう簡単に抜けそうにない/涙(ルイ)
いいんです
かあさん
あなたの悲しみくらい 痛いほど解っていたつもりでした
解っていたから 何も云わないほうがいいんだって
自分さえ押し殺していればいいんだって
ずっとそんなふうに思ってきたけど
いくら見ないふりしたって 忘れたふりしたって
思いが消えてなくなるなんてことないんですよ
それで救われるなんてそんなこと 絶対ないんですよ
二十年も過ぎた今でも あの頃の映像が鮮明に蘇ってくるんですよ
そのたんびに 楽しいことも楽しんじゃいけないような
なんだかひどい罪を犯してしまってるような気がして
呼吸するのもままならないんですよ
どうやって生きていったらいいのか 全然わかんないんですよ
出来ることなら逃げ出したいですよ
いっそ何もかも終わりにしちゃいたいですよ
けど そんなこと出来ないから
やっぱりおっかなくって出来ないから
だから だからせめて詩でくらい
本当の話をしたいのです
ただただ 声をあげて
泣きたいだけなのです
ごめんなさい
本当にごめんなさい
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