突き刺さった破片はそう簡単に抜けそうにない/涙(ルイ)
 
小奇麗な言葉で曖昧にごまかすのには
もうほとほと 疲れてしまったから
そろそろ本当の話を始めましょうか
身もふたもない 本当の話を



忘れもしません
あれは私の保育園最後のお遊戯会の日でした
とおさん そんな日でもあなたは機嫌が悪くて
朝から些細なことでカッとなって
かあさんが今日のために用意してくれたお弁当のおかずを
次から次へと床に蹴散らしていきましたね
それから髪の毛を鷲掴みにして 顔が腫れ上がるほど
何度も何度も殴り続けましたね
私は怖くて 驚いてしまって
声をあげることも 助けることも何も出来なくて
何が起きてるのかも うまく理解できないまんまで

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