或る晩の出来事/塔野夏子
 
アトリエが笑っている
色彩は幾重にも脱皮してゆく
輪郭は幾たびも辷り去ってゆく

窓を開ける

浮遊している
さまざまな色や形の椅子たちが
月に照らされ
遠く近く






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