青でつながってる/砦希(ユキ)
ひとつ隠していたことがあります
その出逢いの 何年か前から
わたしはあなたを知っていた
わたしはまだ十代で
あなたは遠くで詩をかいていた
あなたの詩に 恋をしていた
あなたの詩の 途方もない悲しみと
あなたの詩の 何処にも行くことができないところに
恋をしていた
(もしかしたら 哀れんでいた)
(もしかしたら 共鳴していた)
山手線のどこかの駅で
あなたとはじめて出逢ったとき
わたしはそのことを知っていて
あなたに近づいたのです
まったくの偶然がよびよせた出逢いだったけれど
わたしはそれを逃してはいけないと
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