「 コワレ。 」/PULL.
あぶない!そう思ったときにはもう突き飛ばされていて、コワレていた、かしゃん。音がして、包み中のわたしが、コワレ、ていた。コワレたのでみるみる中からわたしが漏れ出し、包みに、染みをつくる。染みは、わきゃわきゃと喋りながら満ちしたたり、わきゃっ。と地面に落ちる、落ちた、とどうじにまたわたしはわきゃわきゃと、喋り、満ちて、まわりをぐるぐるとまわりながら踊り出す、踊りは随分と騒がしく、わきゃわきゃとしていて、これはまた随分とコワレたな、と少し遠くのことのように思った。そう思っていると、声がした。突き飛ばした男が、こちらを見ていた。男は、大丈夫ですか、随分とひどくコワレてし
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