りゅんこいすごっこ/沙虹
 
知っていることぐらいさ
常食するにはあまりに個性的な味と食感!
でも、もし君が金銀の絵の具を食べたなら
間違いなく君を英雄視するだろうね――

幸いなる舌よ
お前の食らってきたものは
それが何であれ
すべて美味かった!
――なんてなんて僕の選好みの激しい舌では
それはもう適わない
だから
せめて今日も叫ぶんだよ
塔楼、六畳洋室の二段組チェストの上から
「Ihr gluecklichen Augen,
Was je ihr gesehen,
Es sei wie es wolle,
Es war doch so schoen!」
(幸いなる両目よ、
お前が見てきた物はそれが
何であれ総て美しくあった!)
**ドイツ語の部分は『ドイツ名詩選』(岩波文庫)の
ゲーテ『塔主リュンコイスの歌』を参考に致しました。
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